工場解体でPCBが見つかったら?調査・保管・処理の流れを解説

工場解体でPCBが見つかったらどうする?調査・保管・処理までの流れを解説

工場解体では建物だけでなく電気設備の確認も重要

東京都で古い工場・倉庫・事業所などを解体する場合、アスベストとともに注意したい有害物質の一つが**PCB(ポリ塩化ビフェニル)**です。

特に古い工場には、変圧器(トランス)やコンデンサーをはじめとした電気設備が残されていることがあります。

こうした機器からPCBが確認された場合、通常の産業廃棄物としてそのまま撤去・処分することはできません。

PCB廃棄物として適切に保管し、法令に基づいた収集運搬・処分を進める必要があります。

工場でPCBが見つかる可能性がある場所

PCBというと大型の変圧器をイメージする方が多いかもしれません。

しかし、工場ではさまざまな電気設備を確認する必要があります。

代表的なものとして、

・変圧器(トランス)
・コンデンサー
・電気溶接機
・分電盤
・モーター関連設備
・X線照射装置
・その他の古い電気設備

などがあります。

長年使用されていない設備が機械室や倉庫内に残されている場合もあるため、建物だけではなく設備を含めた事前確認が重要です。

STEP1|PCB含有の可能性がある機器を確認

工場解体を計画したら、まず既存設備を確認します。

変圧器・コンデンサーなどでは、

・メーカー
・型式
・製造番号
・製造年
・機器の種類

などを銘板から確認し、メーカー情報等と照合します。

低濃度PCB汚染の可能性を否定できない機器では、機器の種類などに応じて絶縁油のPCB濃度分析が必要になる場合があります。

なお、稼働中の高圧設備などへ所有者が自ら近づくのは危険です。確認は電気主任技術者などの専門家と連携して行うことが大切です。

STEP2|PCBが疑われる機器を勝手に解体しない

PCB含有の可能性がある機器が見つかった場合、その場で分解したり、他の廃棄物と一緒に搬出したりすることは避けなければなりません。

特に絶縁油が入った機器では、誤った取り扱いによって油が漏えいする可能性があります。

工場解体では鉄くずや設備機器など大量の廃棄物が発生するため、PCB廃棄物を通常の廃棄物と混在させない管理が重要です。

STEP3|PCB廃棄物として適切に保管する

使用を終えて廃棄物となった低濃度PCB含有電気工作物は、処分するまで適切に保管する必要があります。

環境省の手引きでは、

・保管場所に囲いを設ける
・見やすい場所に掲示する
・飛散、流出、地下浸透などを防止する
・他の廃棄物が混入しないよう区分する
・必要な漏えい・揮発防止措置を行う
・腐食を防止する

などの保管基準が示されています。

PCBを含む絶縁油が漏れないよう、保管場所の環境にも注意が必要です。

STEP4|PCB特別措置法に基づく届出を確認

PCB廃棄物を保管する事業者には、PCB特別措置法に基づく届出が必要になります。

環境省の手引きでは、年度末までに保管しているものや処分したPCB廃棄物などについて、翌年度6月末までに保管場所を管轄する都道府県または政令市へ届け出る必要があるとされています。

工場閉鎖や建物解体を行う場合でも、PCB廃棄物を通常の残置物として扱うことはできません。

保管場所や処分状況を整理し、必要な手続きを確認しましょう。

STEP5|許可・認定を受けた事業者へ処理を依頼

低濃度PCB廃棄物の処分先にも決まりがあります。

環境大臣の認定を受けた無害化処理認定事業者、または都道府県・政令市から許可を受けた処理業者へ委託して処分します。

また、処理施設までの収集運搬についても、必要な許可を持つ収集運搬業者への委託が必要です。

処理事業者によって受け入れ可能なPCB廃棄物が異なる場合もあるため、事前確認が必要です。

2027年3月31日の処分期限に注意

2026年9月現在、特に重要なのが低濃度PCB廃棄物の処分期限です。

低濃度PCB廃棄物については、2027年3月31日までの処分が義務付けられています。

つまり、処分期限まで残された期間は長くありません。

工場内に古い変圧器・コンデンサーなどが残っている場合、解体予定がまだ先であっても、PCBについては早急に確認することが重要です。

「解体するときに調べればいい」と先送りすると、PCB処理のスケジュールに影響する可能性があります。

高濃度PCBが予期せず見つかる可能性にも注意

高濃度PCBについては、JESCOによる処理事業が2026年3月末で終了しました。

一方、環境省は今後、廃屋の解体などによって予期せず高濃度PCB廃棄物が発見されるケースが想定されるとして、新たな処理体制の整備を進めています。

そのため、「高濃度PCBの期限は終わったから関係ない」ということではありません。

古い機器が発見された場合は自己判断で廃棄せず、行政や専門業者へ確認することが重要です。

工場解体ではPCB・アスベスト・ダイオキシンを総合的に確認

古い工場を解体するときに注意すべき有害物質はPCBだけではありません。

建築物にはアスベスト含有建材が使用されている可能性があり、焼却炉などが設置されている施設ではダイオキシン類への対策が必要になるケースもあります。

そのため、

PCB → 電気設備
アスベスト → 建築物・工作物
ダイオキシン類 → 焼却設備等

という視点から、工場全体を確認することが重要です。

有害物質の確認を後回しにすると、解体開始後に工事を中断したり、追加工程が必要になったりする可能性があります。

東京都の工場解体・有害物質対策なら株式会社 葵工業へ

株式会社 葵工業では、東京都を中心に工場・倉庫などの解体工事や有害物質対策についてご相談いただけます。

古い工場では、建物本体だけではなく電気設備・配管・機械設備・焼却設備など、施設全体を見ながら解体計画を立てることが重要です。

「PCBの可能性がある設備が残っている」「アスベストも心配」「工場全体の解体について相談したい」といった場合は、工事直前ではなく計画段階から株式会社 葵工業へお問い合わせください。

まとめ

工場解体でPCB含有の可能性がある変圧器・コンデンサーなどが見つかった場合は、通常の設備としてそのまま撤去・処分してはいけません。

機器の確認から必要な分析、適切な保管、届出、収集運搬、処分まで、法令に沿って対応することが重要です。

特に低濃度PCB廃棄物は2027年3月31日が処分期限です。

東京都で古い工場・倉庫の解体を検討している場合は、PCB・アスベスト・ダイオキシン類などの有害物質について早めに確認しましょう。