
古い工場・倉庫は建物を壊すだけではない
東京都で古い工場・倉庫・事業所などの解体を計画するとき、注意したいのがPCB・ダイオキシン類・アスベストなどの有害物質です。
一般住宅の解体とは異なり、工場には建物だけでなく、変圧器やコンデンサー、配管、ボイラー、焼却炉、機械設備などが設置されていることがあります。
そのため、建物だけを調査して解体を始めると、工事途中で有害物質が見つかり、追加調査や工程変更が必要になる可能性があります。
工場・倉庫解体では、建物と設備の両方を確認することが重要です。
1.変圧器・コンデンサーはPCBを確認
古い工場で最初に確認したいのが、変圧器(トランス)やコンデンサーなどの電気設備です。
PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、かつて優れた絶縁性などを理由に電気機器の絶縁油として使用されていました。
また、PCBを意図的に使用していない機器でも、低濃度PCBに汚染されている場合があります。
工場解体前には、
・変圧器
・コンデンサー
・電気溶接機
・分電盤周辺設備
・モーター関連設備
・X線照射装置など
古い電気設備を確認しましょう。
銘板のメーカー・製造年・型式などを確認し、必要に応じて絶縁油のPCB濃度分析を行います。
なお、稼働中の高圧設備へ所有者が自ら近づくのは危険です。電気主任技術者などの専門家と連携して確認することが重要です。
低濃度PCBは2027年3月31日の期限に注意
2026年9月現在、特に注意したいのが低濃度PCB廃棄物です。
低濃度PCB廃棄物は、2027年3月31日までの処分が義務付けられています。
工場の解体予定が2027年以降だからといって、PCBの確認まで先送りするのは注意が必要です。
古い電気設備が残されている工場では、解体計画とは別にPCBの有無を早めに確認し、該当する廃棄物があれば適正な保管・処理を進める必要があります。
2.焼却炉がある工場はダイオキシン類を確認
工場内に古い焼却炉や廃棄物焼却設備がある場合は、ダイオキシン類にも注意が必要です。
確認対象となる可能性があるのは、
・焼却炉本体
・集じん機
・煙道
・排煙冷却設備
・廃熱ボイラー
・焼却灰、飛灰
・設備内部の付着物
などです。
焼却炉を長期間使用していなくても、内部に汚染された灰や付着物が残っている可能性があります。
そのため、使用していない設備だからといって、そのまま重機などで解体するのは適切ではありません。
ダイオキシン類は調査・除染してから解体
対象となる焼却施設の解体では、設備内部の付着物などを調査し、ダイオキシン類による汚染状況を確認します。
その結果に応じて、
・管理区域の設定
・隔離、養生
・作業員の保護具
・付着物の除去
・粉じん対策
・排気、排水処理
・廃棄物処理
などを計画します。
重要なのは、汚染状況を把握してから解体方法を決めることです。
除染によって発生した汚染物や排水などについても、関係法令に基づいた適切な処理が必要です。
3.建物・配管・断熱材はアスベストを確認
工場・倉庫の建物自体で注意したいのがアスベスト(石綿)です。
アスベストは、
・吹付け材
・耐火被覆材
・断熱材
・保温材
・スレート
・屋根材
・外壁材
・床材
・仕上塗材
など、さまざまな建材に使用されている可能性があります。
特に工場では、建物だけでなく配管・ボイラー周辺・設備の断熱部分なども確認が必要になる場合があります。
解体前のアスベスト事前調査が重要
建築物の解体・改修では、原則として工事対象部分の材料についてアスベスト含有の有無を事前に調査します。
書面調査と現地での目視調査を行い、それだけでは石綿含有の有無が明らかにならない場合は、分析調査を行うか、石綿含有建材とみなして必要な対策を講じます。
アスベストが確認された場合は、建材や施工方法に応じて、
・隔離、養生
・湿潤化
・飛散防止
・適切な保護具
・除去
・廃棄物処理
などを実施してから建物本体の解体へ進みます。
有害物質が工事開始後に見つかるとどうなる?
工場解体で避けたいのが、解体開始後に想定していなかった有害物質が判明するケースです。
例えば、
「古いコンデンサーが残っていた」
「壁を撤去したらアスベストが疑われる建材が出てきた」
「焼却炉内部に大量の付着物が残っていた」
といったケースでは、そのまま工事を進められない可能性があります。
追加調査・分析・施工計画の変更・専門業者の手配などが必要になれば、工期や費用にも影響します。
だからこそ、解体前の事前確認が重要なのです。
PCB・ダイオキシン・アスベストをまとめて考える
古い工場の解体では、有害物質を一つずつ別々に考えるのではなく、施設全体を確認することがポイントです。
変圧器・コンデンサー等 → PCB
焼却炉・集じん機・煙道等 → ダイオキシン類
建物・配管・断熱材等 → アスベスト
という視点で確認すると、調査対象を整理しやすくなります。
さらに、使用していた薬品や油類、残置物、地下設備など、工場特有の確認事項が存在する場合もあります。
建物だけではなく、設備・残置物・廃棄物まで含めて現地調査することが重要です。
工場解体の費用を把握するためにも事前調査が必要
有害物質の有無は、解体工事費用にも大きく関係します。
一般的な建物解体費に加えて、
・PCB調査、分析、処理
・ダイオキシン類調査、除染
・アスベスト調査、分析、除去
・特殊な養生
・有害廃棄物の収集運搬、処分
などが必要になる可能性があるからです。
「解体工事一式」の金額だけを見るのではなく、有害物質への対応がどこまで見積もりに含まれているのかを確認しましょう。
東京都の工場・倉庫解体なら株式会社 葵工業へ
工場・倉庫の解体では、建物の構造だけではなく、設備や過去の使用状況まで確認したうえで施工計画を立てることが重要です。
株式会社 葵工業では、東京都を中心にアスベストなどの有害物質対策や解体工事についてご相談いただけます。
「古い工場を解体したい」
「PCBが心配な変圧器が残っている」
「焼却炉がありダイオキシン類への対応が必要か知りたい」
「アスベスト調査から除去・解体まで相談したい」
といった場合は、解体直前ではなく計画段階から株式会社 葵工業へお問い合わせください。
まとめ
工場・倉庫の解体では、一般的な建物解体に加えて、PCB・ダイオキシン類・アスベストなどの有害物質対策が必要になる場合があります。
重要なのは、
PCB → 古い電気設備
ダイオキシン類 → 焼却設備
アスベスト → 建築物・配管・断熱材等
という視点から、解体前に施設全体を確認することです。
事前調査によって必要な対策を把握しておけば、安全対策だけでなく工期・費用も計画しやすくなります。
東京都で工場・倉庫の解体を検討している場合は、有害物質調査から除去・解体、廃棄物処理までを見据えて早めに準備しましょう。

