ビル改修でアスベストが見つかったら?テナント営業中の工事で注意したいポイント

ビルの改修工事でもアスベストに注意

東京都でオフィスビルや商業ビルの改修・リニューアルを行う際、注意したいのがアスベスト(石綿)です。

「建物全体を解体するわけではないから、アスベスト調査は必要ない」と思われることがありますが、解体だけでなく改修工事も事前調査の対象です。

特に築年数が経過したビルでは、天井・壁・床・配管・耐火被覆材などに石綿含有建材が使用されている可能性があります。

さらにテナントが営業を続けながら部分的に改修する場合は、工事区域だけでなく周囲への飛散防止や工程管理も重要になります。

改修工事でもアスベスト事前調査が必要

建築物の解体・改修工事では、原則として工事対象部分に使用されている材料について、アスベスト含有の有無を事前に調査します。

基本となるのは、

書面調査 → 現地での目視調査 → 必要に応じた分析調査

という流れです。

設計図書や過去の改修履歴などを確認し、現地で実際の建材を調査します。

書面と目視だけでは石綿含有の有無が明らかにならない場合は、分析するか、石綿含有とみなして必要な措置を講じます。

ビルのどこにアスベストが使われている?

古いビルでは、さまざまな場所にアスベスト含有建材が使用されている可能性があります。

例えば、

・鉄骨部分の吹付け材
・耐火被覆材
・天井材
・壁材
・床材
・仕上塗材
・配管の保温材
・設備周辺の断熱材

などです。

見た目だけでアスベストの有無を判断することはできません。

特に過去に複数回改修されているビルでは、建築当初の材料と後から施工された材料が混在している場合があります。

テナント営業中の工事は工程計画が重要

オフィスビルや商業ビルでは、建物全体を閉鎖せず、一部のテナントが営業を続けながら改修するケースがあります。

その場合、工事区域と営業区域が近くなることもあるため、通常以上に施工計画が重要です。

確認したいのは、

・アスベスト除去範囲
・テナントの営業区域
・作業員の動線
・資材、廃棄物の搬出経路
・エレベーターや共用部の使用
・工事時間
・粉じん、騒音対策

などです。

工事内容に応じて、テナントや建物管理者と工程を調整しながら施工する必要があります。

アスベストが見つかったら工事を止める?

事前調査でアスベスト含有建材が確認されたからといって、必ずしもビル全体の改修計画を中止するわけではありません。

重要なのは、どこに・どのような石綿含有建材があり、今回の工事でどのように扱うのかを明確にすることです。

除去が必要な場合は、建材や施工方法に応じて適切な飛散防止措置を講じます。

工事範囲外の建材についても、将来の改修や維持管理に備えて位置や調査結果を記録しておくことが重要です。

除去工事では飛散防止を徹底

アスベスト除去では、建材や施工方法に応じて、

・隔離、養生
・湿潤化
・集じん、排気
・負圧管理
・適切な保護具
・粉じんの持ち出し防止

などの対策を行います。

ただし、すべてのアスベスト除去工事で同じ隔離・負圧措置を行うわけではありません。

石綿含有建材の種類や状態、切断・破砕の有無などを確認し、法令と施工方法に応じて必要な措置を決定します。

空調設備にも注意する

テナント営業中の改修で確認したいポイントの一つが空調設備です。

作業場所と営業区域が空調設備やダクトなどでつながっている場合、工事内容によっては粉じんの拡散を防止するための対策を検討する必要があります。

工事区域をシートで囲うだけではなく、建物全体の空気の流れまで考えて施工計画を立てることが重要です。

ビル改修では、建築部分だけでなく設備担当者や建物管理者との連携も必要になります。

共用部の搬出経路も事前に確認

東京都のオフィスビルでは、エレベーター、廊下、エントランスなどを複数のテナントが共同利用しているケースが一般的です。

アスベスト除去で発生した廃棄物を搬出する際には、適切な梱包・飛散防止を行うとともに、他の利用者への影響を考えた搬出計画が重要です。

時間帯を調整したり、搬出経路を区分したりするなど、現場条件に合わせて対策します。

工事途中で疑わしい建材が出てきたら?

改修工事では、壁や天井を撤去したことで、事前に目視できなかった建材が現れることがあります。

その際、アスベスト含有の有無が確認されていない建材を、そのまま切断・破砕するのは避けなければなりません。

一度作業を止め、必要に応じて追加調査・分析を行います。

工期を優先して自己判断で作業を進めるのではなく、安全を確認してから工事を再開することが重要です。

発注者・ビル管理者も早めの準備を

ビル改修をスムーズに進めるためには、施工会社だけでなく、発注者やビル管理者側の準備も大切です。

過去の設計図書や改修記録など、アスベスト調査に必要な資料が残っている場合は事前に整理しておきましょう。

また、テナント営業中の場合は、調査・除去・改修工事の日程を早い段階から調整することで、営業への影響を抑えやすくなります。

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ビル改修では、アスベストの有無だけでなく、テナントの営業状況、共用部、設備、搬出経路などを考慮した施工計画が重要です。

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まとめ

オフィスビル・商業ビルでは、建物全体を解体しない改修工事であってもアスベスト事前調査が重要です。

特にテナント営業中の工事では、事前調査・工事区域の設定・飛散防止・空調設備・作業動線・廃棄物搬出・テナントとの工程調整まで総合的に考える必要があります。

東京都でビル改修を予定している場合は、工事開始直前ではなく、設計・見積もり段階からアスベストの有無を確認しておきましょう。