
古い工場は建物を壊す前の「有害物質調査」が重要
東京都で古い工場・倉庫・事業所などの閉鎖や解体を計画している場合、建物をすぐに解体するのではなく、事前に施設内の有害物質を確認することが重要です。
特に古い工場で注意したいのが、
PCB(ポリ塩化ビフェニル)
ダイオキシン類
アスベスト(石綿)
です。
これらは存在する場所や調査方法、除去・処理方法がそれぞれ異なります。
工場解体が始まってから発見されると、追加調査や施工方法の変更が必要になり、工期や費用に影響する可能性があります。
そのため、工場解体では建物・電気設備・配管・ボイラー・焼却設備など、施設全体を確認することが重要です。
工場解体で確認したい3つの有害物質
工場には建物だけでなく、さまざまな機械・電気・配管設備があります。
代表的な確認箇所を整理すると、
変圧器・コンデンサーなど → PCB
焼却炉・集じん機・煙道など → ダイオキシン類
建材・配管保温材・断熱材など → アスベスト
という違いがあります。
一つの工場で複数の有害物質への対応が必要になるケースも考えられます。
1.PCB|古い変圧器・コンデンサーを確認
工場解体前にまず確認したいものの一つが、古い電気設備です。
PCBは過去に優れた電気絶縁性などから、変圧器やコンデンサーなどに使用されていました。
また、PCBを意図的に使用していない設備でも、絶縁油が低濃度PCBに汚染されている場合があります。
工場内では、
・変圧器(トランス)
・コンデンサー
・溶接機
・X線装置
・配電設備
・モーター等に付属するコンデンサー
などを確認します。
PCBは銘板・メーカー・型式などから確認
古い電気設備を確認するときは、
・メーカー
・型式
・製造年月
・製造番号
・銘板情報
などを調べます。
メーカーが公表している情報などからPCB使用の可能性を確認し、必要な場合は絶縁油を分析してPCB濃度を確認します。
ただし、稼働中の高圧設備に所有者や一般の作業員が不用意に近づくのは危険です。
電気主任技術者など専門知識を持つ関係者と連携して確認することが重要です。
低濃度PCB廃棄物は2027年3月31日まで
2026年10月現在、特に注意したいのが低濃度PCB廃棄物の処分期限です。
低濃度PCB廃棄物の処分期間は2027年3月31日までです。
例えば、工場解体を2027年夏や2028年に予定していたとしても、低濃度PCB廃棄物への対応を建物解体まで待つことはできません。
古い電気設備が残っている工場では、建物解体の時期とは別に早めの確認が重要です。
2.ダイオキシン類|焼却炉がある工場は注意
工場内に古い焼却炉が残されている場合は、ダイオキシン類への対応が必要になる可能性があります。
確認したい設備として、
・焼却炉本体
・集じん機
・煙道
・排ガス処理設備
・排ガス冷却設備
・廃熱ボイラー
・灰搬出設備
・焼却灰、飛灰
・設備内部の付着物
などがあります。
長期間使用していない焼却炉でも、内部に灰・ばいじん・付着物などが残されている可能性があります。
焼却炉はそのまま破砕しない
ダイオキシン類による汚染の可能性がある設備を、そのまま切断・破砕すると、汚染された粉じんが飛散する可能性があります。
そのため、対象となる焼却施設では事前に施設情報や汚染状況を確認し、必要な調査・分析を行います。
その結果をもとに、
作業区域の設定
↓
飛散・ばく露防止対策
↓
付着物等の除去・除染
↓
焼却設備の解体
↓
廃棄物の適正処理
という流れで施工を計画します。
3.アスベスト|建物だけでなく設備周辺も確認
工場解体で広い範囲を確認する必要があるのがアスベストです。
古い工場では、
・吹付け材
・耐火被覆材
・天井材
・床材
・屋根材
・外壁材
・仕上塗材
などの建築材料にアスベストが含まれている可能性があります。
さらに工場では、
・配管保温材
・ボイラー周辺の断熱材
・ダクト周辺
・煙道周辺
・設備周辺の耐熱材料
などにも注意が必要です。
「建物のアスベスト調査をしたから設備も問題ない」と判断せず、実際の撤去範囲に応じて確認することが重要です。
アスベスト事前調査から分析へ
解体・改修工事では、工事対象部分についてアスベスト含有の有無を事前に確認します。
基本的には、
設計図書・仕様書等の確認
↓
現地での目視調査
↓
建材・材料の確認
↓
判断できない場合は必要に応じて分析
という流れで進めます。
アスベスト含有が確認された場合は、建材の種類・状態・施工方法などに応じて適切な除去方法と飛散防止措置を検討します。
工場解体では3つを別々に考えすぎない
PCB・ダイオキシン類・アスベストは、それぞれ別の法令や処理方法が関係します。
しかし工場解体の施工計画では、施設全体を一つの現場として考えることも重要です。
例えば、
電気室 → PCB確認
建物 → アスベスト事前調査
配管・ボイラー → アスベスト確認
焼却設備 → ダイオキシン類調査
というようにエリアごとに確認し、必要な工事を整理していきます。
有害物質調査を先に行うメリット
工場解体前に有害物質を確認しておくことで、必要な施工内容を事前に整理しやすくなります。
例えば、
・必要な調査・分析が分かる
・除去・除染範囲を整理できる
・設備撤去との順番を決めやすい
・解体工事の工程を組みやすい
・廃棄物処理方法を検討できる
・想定外の追加工事リスクを減らしやすい
といったメリットがあります。
工事開始後に有害物質が判明すると、工事を一時停止して追加調査が必要になる場合もあります。
工場解体前に残置物も確認
有害物質だけでなく、工場内の残置物についても事前に整理することが重要です。
例えば、
・機械設備
・原材料
・廃油
・塗料
・薬品
・什器
・書類
・廃棄物
などです。
工場の中にあるものをすべて重機で一緒に解体するのではなく、それぞれの性状や処理方法を確認しながら撤去・処分します。
特に油・薬品などが残されている工場では、解体工事前の確認が重要です。
工場解体前の基本的な流れ
施設によって異なりますが、一例として、
現地調査・資料確認
↓
設備・残置物の確認
↓
PCB対象設備の確認
↓
アスベスト事前調査・必要な分析
↓
焼却設備があればダイオキシン類調査
↓
必要な届出・施工計画
↓
有害物質の除去・除染・適正処理
↓
機械・配管・設備撤去
↓
建物本体の解体
↓
廃棄物処理・整地
という流れで検討します。
重要なのは、重機が現場に入ってから調べるのではなく、解体計画の初期段階で調査することです。
見積もりでは有害物質関連の範囲を確認
工場解体の見積もりを比較する際は、総額だけではなく、どこまで含まれているのか確認しましょう。
例えば、
・アスベスト事前調査
・アスベスト分析
・アスベスト除去
・PCB設備確認
・PCB廃棄物への対応
・ダイオキシン類調査
・焼却設備の除染
・設備撤去
・残置物撤去
・建物解体
・廃棄物処理
などです。
有害物質への対応が見積もりに含まれているのか、別途費用になるのかを事前に確認しておくことが重要です。
東京都の工場解体・有害物質調査なら株式会社 葵工業へ
株式会社 葵工業では、東京都を中心にアスベスト事前調査・分析・除去から、工場・設備・建物の解体、有害物質対策についてご相談いただけます。
「古い工場を閉鎖・解体したい」
「PCBの可能性がある変圧器が残っている」
「焼却炉のダイオキシン類が心配」
「配管やボイラーのアスベストを確認したい」
「PCB・ダイオキシン類・アスベストをまとめて相談したい」
「有害物質対策から設備撤去・建物解体まで相談したい」
という場合は、解体工事を開始する前の段階から株式会社 葵工業へお問い合わせください。
まとめ
古い工場を解体するときは、建物だけではなく、施設内に残された設備や材料についても確認することが重要です。
特に、
変圧器・コンデンサー → PCB
焼却炉・集じん機・煙道 → ダイオキシン類
建材・配管保温材・断熱材 → アスベスト
という3つの視点がポイントです。
さらに、残置物・廃油・薬品・機械設備なども含め、工場全体を確認してから解体計画を立てることで、必要な調査・除去・除染・廃棄物処理を整理しやすくなります。
東京都で工場閉鎖・設備撤去・建物解体を検討している場合は、PCB・ダイオキシン類・アスベストを含めた有害物質調査を早い段階から計画することが重要です。

